息子であって息子でない

唯々オロオロするだけで時間の感覚さえない。

救急隊員の人が来たが、全くサイレントの音など耳に入らなかった。
それに救急隊員の人も立ちすくんだまま…もう手の施しようがない事は、私にも理解できる。
何を思ったのか私は、この子何か遺書書いてると救急隊員の人に聞いてました。
これかなと渡されたのは、バインダーへ挟んだ白紙のノートとノートを破って書かれた文字、冷静にも見える真っ直ぐに書かれた「後始末お手間掛けます」の文章、他家族等に宛てたものは、何もありませんでした。
まるで悪夢の中をさ迷っているようで、その後お巡りさんが来た。
不安とパニックで一人では耐えられない。
心の中で長男を呼ばなきゃ…携帯を手にしたものの震えて何度かかけたが夜遅めの仕事の為寝ているのだろうとラインもしましたが待つことにたえられない。
お巡りさんから少ししたら刑事さんが来ると言われたがとにかく一人では、吐きそうで倒れてしまいそうだった。
お巡りさんに近くに住んでいる長男を呼んできますと伝え、車で行きますかと言われたが到底車の運転は無理歩いて行ってきますとスマホを手に住所を便りに真白の頭の中何とか長男のアパートへたどり着きましたが、寝ているらしくチャイをならしても出て来ません。
必死でドアをノックして寝起きらしく長男が出てきてくれました。
次男が自殺をして母さん一人では耐えられないから一緒に立ち合ってと、慌ただしく身支度をして長男は、出てきてくれました。
次男のアパートへ向かう途中後悔の言葉ばかりで、独り暮らし何かさせなきゃ良かった。
もっと早く来れば良かったそればかり
長男が自分で独り暮らししたいって言ったんじゃないの…独り暮らししようかと思っているって言ったからでも本気じゃなかったのかも
時々無言になりながらコロナ禍で
アパートへ着いた時には、刑事さんが来て居て車の中で待ってて下さいと言われ唯々待つだけでした。
途中長男が気を使ってくれたのか飲み物を買ってくるからとコンビニへ行って御茶を買って来てくれました。
異常に喉が乾いて直ぐ飲んでしまいました。
何れ位時間が立っているのか全く解らない状態で、刑事さんに御遺体を運ので見ない方が良いと言われ勿論見る事等出来ない見られない。
心が張り裂けそうでまだ次男が居ない事等受け入れる事等出来ない。
車のなかで、次男の事アパートへ訪ねて来た経緯等聞かれましたが何とか答えるのに必死でした。
次男は、遺体検死の為警察署へ行きました。
刑事さんからは遺体解剖等聞かれましたが、到底無理で何れ位あんな状態で見つけてもらえるのを一人で待って居たのかこれ以上辛い思いや痛みを感じさせたくなかったので、勿論断りました。
出来るだけ早くお母さんの所へ息子さん返しますから明日には、返してあげられると思うから後は葬儀やさんと打ち合わせして下さいと言われました。
まだ次男の死を受け入れられていないまま葬儀…ショックでショックで
何も考えなくて近くの葬儀屋さんへ依頼する事にしました。
その日は、そのまま長男をアパートへ送って家へ帰りましたが、泣く事も出来ず食欲もなく家で呆然とした状態でた。
夕方近く刑事さんが訪ねて来るとの連絡がありました。
心が壊れたまま色々な事に追われて時間の感覚が全く把握できない状態
ただ癒し系ミュージックを聴きながら心を落ち着けたいと思ったのですが癒し系ミュージックが全て悲しく感じてしまいます。
ただただ呆然と刑事さんが来るのを待っていました