息子と2人の普通で幸せの残像

今日も梅雨の割には程良い風が心地良い。


薄曇り微妙な小雨…あの子にちゃんと紫陽花が綺麗に咲いて増えてるの見えてるかな…夜は、真ん丸お月様天気良さそうだからちゃんと今日家のイルミネーション見つけられれるかな…1日に何度何度も空を見上げる用になった。


何度と無く問いかけるようになった母さんの声聞こえてる。




仕事から帰ると車の窓から必ず家に貴方が居て明かりが付いてる気がして窓を確認してしまう。


真っ暗…やっぱり息子は、帰って居ない。


「ただいま」ってドアを開けても暗闇と静けさだけ…名前を呼んでも返事はない。




貴方が居た時は、窓から漏れる明かりとゲームの音や洋楽が外迄響いて「うるさいな」と思いながらも不思議と息子が家に居る事にホッとして安心していた。



明かりが付いていても静かな時はドアを開けたまま漫画や母さんには到底理解出来ない本や小説をベッドに座って呼んでいる。


横には、必ずお気に入りのミュー(犬)が寄り添っている。

当たり前の普通の幸せな日々





母さんに到底無理な小さな小さなパズルを何日も掛けて仕上げていく。


母さんがみても全て同じに見えて到底母さんには無理…「小さくって何処がどれか解らないんじゃないの」と言うと「そう…解るよ」と1ピース1ピース母さんが見てる前で意図も簡単にはめて絵を形にして行く少しづつ母さんにも何なのか解るようになって来る。








真剣ながらも楽しそうな顔


出来上がると満足そうに眺めながら額を壁に掛けては、幸せそうに微笑んでいる。


息子のそんな顔を見るのが好きで母さん迄嬉しくて幸せ感じてた。


そして私の息子ながらすごい…感心させられていた。


母さんの1番お気に入りの少し小さめの桜の花は長男が持って帰った。






もうあの当たり前の時間も部屋の明かりも漏れては来ない。2人で又暮らすつもりで迎えに行ったのが


2人で暮らせる時間を想像して楽しみにしていた事で母さんのショックは、言葉になら無かった。


ごめんね、ごめんね…ごめんね。どれだけ心で叫び続けていたか


毎日毎日パズル全てに手を添えて目を閉じると息子がピースを1つ手にはめ込む姿が甦って涙か溢れる。


穏やかな息子の時間…もう作ってあげられない。



迎えに行くのが遅すぎた…母さんの心も未来もその時粉々になったまま…母さんてもう聞く事できない。


それでも帰って来て、何時迄も待ってる。