2人の生活の痛み

息子が帰って来てからも私には何時もと変わらない時間が過ぎて行く。

毎日毎日苦痛と後悔…どうしてなのか


息子が自殺してから心も時も刻んでいない止まったままなのに


日が昇り今日になり暗闇が孤独にさせる。

そして又日が昇り今日になる。


スマホは、今ロック解除を依頼して息子の痕跡が残っている事を祈りながら待っている。

最低6ヶ月程掛かるとの事…残ってる息子の現実があるならそれも受け止めたい。


今は、毎日おにぎりを握り供えてお茶の時は、2人で飲み

何度も何度も話し掛け骨壺を撫でては抱き締めてどうして…息子の名前を何度も何度も呼んでは、返事してねえ返事してと問いかける。


表情一つ変わらない写真をみつめては、顔をなぞって何で何も言わないの母さんて呼んでよ…

無理なの解っているのに解りたくない。


玄関のスリッパも揃えられたまま…帰って来ない。

それでも何時か帰って来てスリッパ履くだろうからと思いだけがつのっていく。


毎日朝息子のスマホへその日の天気1日の予定や出来事出掛ける時や仕事の時は、一緒に行こう…何れだけ大切で愛してたか伝えて、天国へ届けと送信する。


それでも結局ユーザーがいませんと残ったまま

母さんは、ちゃんと天国のあの子へ届いてると信じて今もこれからも続けていく。


一週間に一度は可愛くて息子の好きそうな花選びにじっくり時間を掛けて可愛いの買って来たよって伝えている…

その次いでに息子の好きそうなデザートを買って来て供えている。


2月14日は、バレンタインデー毎年息子2人分頼んでおくので長男は、何時も次いでの時に取りに来ている。


次男は取りに来ないので、何時も私がアパートのドアノブへ手紙と掛けて置いて来ていたけど、今年は、仕事から帰ってチョコを開けて食べなねって供えた…


それでも息子に何を供えても供えた状態のまま一口たりとも口にする事はない。

私が一つもらうね…私が食べた数だけ減って行く…悲しく涙でいっぱいになる。

何で食べないの…

胸が張り裂けそうで痛い…苦しい


仕事の日は息子が待ってるからと急いで定時に直ぐ職場を出るようになった。


職場でも、車の中でもフト息子の気配を感じるのに見渡しても居ない。

一人で見えない息子へ話し掛けている。


今は桜の時期入園式の話を職場の人がしていた。

3年保育で息子の入園式の時事が思い出される。

小さな手でしっかりと母さんとパパの手をにぎりしめていた。

少し大きめの園児服がものすごく可愛かったな…


男の子や息子と同じ年頃の子を見かけると胸が痛くて締め付けられる。


本当に時が経てば心は軽くなるのか母さんには一生無理みたい。

お帰り私の宝物

又苦痛現実を叩き付けられて眼が覚めた。

体は迷路をさ迷っているようで、私の廻りでは別の世界の時間だけが過ぎて行く。


やっと息子を火葬して家へ一緒に家へ帰れる。

慌ただしく家事を終わらせて身支度…


私は生まれて一度も喪服を着る事がなかった何十年も前に念の為に買っておいた喪服タグが付いたまま…

クローゼットから出した物の着る事が出来ない…どれ位ベットへ置いて呆然と眺めていただろうか、何故この喪服を息子の為に着なければならないのか、悲しくて悲しくて心が締め付けられる。


やっとの思いでタグを取り、心の中で何故何故と何度も繰り返しながら苦痛のなか何とか着替えて葬儀屋さんとの約束の時間9時半に間に合うように急いだ。


息子の柩へ入れる為大好きだった果物、ヨーグルト、野菜ジュース、私と長男からの遺書への返事と手紙、息子がとっても可愛いがってた13才で亡くなった犬ミューの写真、好きだった劇団四季のカタログと会員カード、免許証、他にも色々と資格を取ってた免許証、そして家へちゃんと帰って来られるように、家で履いてたスリッパを用意して葬儀屋へ


葬儀屋へ着いてからは、持って来たものを柩へいれてあげちゃんと家へ帰ろうねと声を掛けて足元へ揃えて挙げました。

沢山の花に囲まれて柩に花束で霊柩車へ乗せられました。

私は、霊柩車へ同行し息子と一緒に斎場へ行きましたが、一度も後ろの柩を見る事が出来ませんでした。

嫌…見たくなかったと言うのが本心です。


斎場へ着いてからは、長男と待ち合わせをしていたので待っていたのですが、なかなか来ません。

私は1人ただ母親として情けなくて悔しくて悔しくて涙が止まりません。

何故何故…あの時アパートへ言ってれば助けられた今も私と暮らしてた…後悔と母親として失格自分自身で攻めても攻めても何も変わらない。

解っているけどあの時…そう思うと次男との生活を妄想してしまっては、又涙が溢れて止まらない。


やっと長男が来て2人で次男と最後のお別れ……

全く現実が飲み込めないまま呆然と控室で待たされた。

何れ位待ったのか呼ばれて行った所には、熱に包まれた純白の人骨…息子…嘘…違う…何


渡されたのは長めの箸長男と2人で骨壺へ一緒に入れて上げて下さいと、言われるまま骨壺へ移しましたが、私は何をしてるの…全く自覚が出来ない。


少し待って渡されたのは重たい四角い骨壺の箱…

長男の車で私と長男と次男の3人で家へ向かい母さんより大きかったのにこんなに小さくなって…

家帰ろうねもう苦しまなくても悩まなくても良いからね。


家へ着いてからは私が一番時間を過ごすリビングの食卓テーブル私の横へ置いて上げました。

長男は、お線香を上げてお茶お飲んで少しして帰りました。

次男と2人の時間生活が始まります。

それでも次男の姿声は、全くありません。

どう受け止めて良いのか心の中で、何処かに居る…嫌やっぱり亡くなっている…それでも認められない私がいます。

ただ呆然と骨壺と写真を見つめているだけで時間だけが過ぎて行き気がつくと部屋も暗くなって来ている。


話さない見えない姿全く変化のない止まった温もりさえ感じない写真だけ

私には余りにも残酷な時間をこれから過ごさなければならないのかと思うと残酷過ぎて耐えられるのか…


ベットへ入って花がないから買ってこないと…可愛い綺麗なのがいいよね。

何故かフトそう思ってしまったのです。


明日から母さんは、どうして行けば良いのか耐えて行かれるのだろうか。

息子へつのる思い

やっと休み

息子に会いに行ける。

急げ急げと複雑な心のなか、家事を済ませて息子に会いに行った。


2日間来られなくて「ごめんね」寂しかったね。

又明日もくるからそしたらもう一緒に家で2人で前みたいに暮らそうね。


柩を前にしても刑事さんが指紋が一致したと言っても母さんは貴方の顔さえ見られていない。


どうしても何処に居るんじゃないか息子じゃないかも知れない…違う

一人心が葛藤している。


帰り息子の遺影の為の写真を現像しに行った…唯一3年程前に撮った1枚だけあった写真だった

こんな事の為に撮った訳じやないのに…

やっと居場所を見つけた元夫に息子の写真を送る為撮ったのに…元夫に送った唯一の写真が最初で最後の写真になってしまった。


写真の息子は、ほんのり優しい苦笑いしている。

昨日のようにあの時の顔や表情服装全てが思い出される。


写真立てを選びながら私は何をしているのか…ただただ、空気の中を漂っているような感覚だった。


家へ帰ってからは、ただ窓の外を見つめたまま呆然と癒し系の音楽を聴いているだけ…癒し系のはずが今の私には悲しく心を突き刺して来る。


今だ食欲はない食べたいとゆう気持ちにならない、大好きだった甘いデザートも見ても欲しいと思う欲求さえ起きない。


刑事さんから返してもらったロックの掛かった携帯だけが気になって仕方がない。

何かあの子の会えなかった時間の痕跡が残っているのじゃないか…

何度かロック解除してみたが駄目だった…これ以上ロック解除すると中のデータが消えてしまうらしいので諦めたもののどうして気になって心に引っ掛かって頭から離れない。


ネットで調べたらロック解除の専門業者を見つけたがかなり金額的なものが掛かることは何となく解る。

数十万…思った通り正直私にはかなり負担になる金額

何日も何日も考えてそれでも決心がつかない…でも息子の思いが残って居る可能性もあるなら…気持ちが揺らいだまま1日残酷にも過ぎて行く。


7日会いに来るのも今日で終わり明日は、やっとやっと母さんと息子の家へ連れて帰れる。


何時もの用に家事を済ませ会いに行きもう今日1日だから待ったてね。

明日は一緒に家に帰ろう。

もう何も悩んだり苦しんだ泣いたりしなくて良いんだからね。

ずっとずっと寂しい思いさせて守ってあげられなくてごめんね。


もう独りぼっちにはしないからずっとずっと母さんが側に居るから明日迎えに来るから1日だけ待っててね。

母さんの世界で一つだけの宝物もう世界中探しても見付けられないの